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あのさ、あのね。神妙な面持ちで、そんな風にウィンリィが切り出してきた言葉は、ツナにとっては少々意表をつくものであった。
「……例えばの話よ?ツナが、いつもよりずうーっとお洒落して待ち合わせの場に行ったら獄寺、どんな反応する?」
「………へっ?」
思わすばちくりとツナは瞬きをした。意味がわからなかったわけではない。ただ、質問をしていたのは確かにこちらなのに、どうして逆に問われているのだろう。その状況についていけなかったのだ。しかし、そんな茫然とした彼女の様子など気が付かないように、ウィンリィは握る手に力を込める。そして、また繰り返した。
「ねぇ、どう?」
「えぇえっ!?……いや、それは…………」
しかしツナはまたしても戸惑ってしまった。獄寺とそんな状況になったことがあまり無かったからだ。そしてなにより、ウィンリィの怒りの理由とそれに関係性を見いだすことが、ツナには出来なかったためである。なんだか頭が痛くなってきた。だが、親友は彼女のそんな混乱など知ったこっちゃ無いらしい。また根本的に、彼女に答えなど要求していなかったのか。ウィンリィはツナの答えなんて待たずにつらつらと延べ始めた。
「獄寺だったらさ、ツナのお洒落に気が付かないわけないわよね?あった瞬間そっこーで気付いて、で褒めちぎるに決まってるわ」
「……う、ううん?」
「誉めて誉めて誉めて、ぶっちゃけうざく感じるくらいに誉めてさ。こっちが恥ずかしくなるくらいなのよ。でもさ、考えてみるとそれって普通当たり前よね?」
「いや、あの……ウィ」
「…うん。そもそも獄寺に限った話じゃないわ。そうよ。普通、彼女がいつもよりずうーっとお洒落してたらそれに気付くのが恋人ってもんじゃない!?」
だん、机を力まかせに打ち付ける親友の剣幕はなんとも恐ろしい。ひぃ、と若干ツナは逃げ腰になる。口を挟む暇さえ与えられなかった。しかし大体の事情は理解できて、彼女はひっそりと頭を抱えた。が、もちろんウィンリィがそれを気にする様子は無い。うなだれたツナ相手に、またしても恋人への不平不満を再開させる。なんだか先程よりも熱が上がっているのは気のせいではないだろう。
ツナはしばし黙ってそれを聞いていたものの、意を決する。このままでは確実に、彼女の穏やかな土曜はパーだ。それだけは避けたい。こくり、喉をならしてツナは親友を見やった。
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